煙草とキス



それからあたしとメイは




時間も忘れて、昔から知っている友達かのように



ずっと他愛のない話をしていた。





初め、少し避けていたようなあたしの心も自然と開かれて



2人は、こんな短時間で打ち解けあってしまっていた。








だけど…………







どちらも、踏み入れていないことが、ひとつだけあった。







それは、恋愛関係のことだった。








無論、あたしがそんな話題を出すことは、できるわけない。




だって、快斗とメイの過去を


知ってしまったのだから。






別に、その話をされても構わないとは思っている。




けど、自分から過去のことを聞こうとは思いもしないし。



聞いても、後味悪くなるだけ。






ただ、あたしが知りたいのは



快斗のことを………









今も、特別な感情と共に覚えているのかということだけだ。







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