煙草とキス



「あっ、ちょっとあたし……
メイに聞きたいっていうか、言いたいことがあるんだけど……」




「ん~、なになに?」





あたしは、喉を鳴らしながら


生唾を2回飲み込む。




そして、更に汗ばむ手を、Tシャツの脇辺りで拭った。








「あのさ……」





ゆっくりと息を吐きながら



メイに一気に言ってしまおうと、口を開いたそのとき────









あたしの手から、ケータイが突然、スルッと抜けた。





「……えっ…?」






一瞬、何がなんだか分からなくて



かなり驚いた。




でも、目線を上にやって………







あたしは、もっと驚いた。









「………快斗?」





そこにいたのは、なんと快斗で。




あたしのケータイを持ち



メイとの電話を、切っていた。






< 105 / 280 >

この作品をシェア

pagetop