煙草とキス
「あっ、ちょっとあたし……
メイに聞きたいっていうか、言いたいことがあるんだけど……」
「ん~、なになに?」
あたしは、喉を鳴らしながら
生唾を2回飲み込む。
そして、更に汗ばむ手を、Tシャツの脇辺りで拭った。
「あのさ……」
ゆっくりと息を吐きながら
メイに一気に言ってしまおうと、口を開いたそのとき────
あたしの手から、ケータイが突然、スルッと抜けた。
「……えっ…?」
一瞬、何がなんだか分からなくて
かなり驚いた。
でも、目線を上にやって………
あたしは、もっと驚いた。
「………快斗?」
そこにいたのは、なんと快斗で。
あたしのケータイを持ち
メイとの電話を、切っていた。