煙草とキス
「メイ……
やっぱりあたし、全然ダメだよ…。
快斗の気持ち……分かってない」
本当に、本当に、悲しかった。
世那やメイに言われて初めて、快斗の気持ちに気付くなんて……
それでも自分は
快斗を支えてるって、言えるの?
「澪ちゃん、あのね…?
分からないことは、悪いことじゃない。
だから澪ちゃんは……変わらないで」
メイは、最後だけ静かに話すと
うつむきながら、走って行ってしまった。
あたしの目からは、涙があふれた。
たくさん、たくさん、あふれていた。
メイは、あたしより何十倍も大人で、
何百倍も、人の心を分かっていた。
そして、あたしは────