煙草とキス
色々と唸りながら、チューハイを飲んでソファに座ると
ソファに座っていた龍也が、
ベッドの上にいる快斗の方へ、さりげなく移動した。
まあ……
今は何ともないとは言えど、事実、過去に付き合っていた者同士。
あまり目を合わせたりしないのは
当然のことだと思う。
「何かあるっつーか……な?快斗」
龍也は足を組みながら、チューハイの缶に付いた水滴を触りはじめた。
「澪には教えない」
「うわっ、最悪ー」
快斗はクスクス笑いながら、あたしの方を見て煙を吹いた。
それを見ていた他の3人にも笑われた。
「何を隠してるの?
教えてくれてもいいじゃん…」
そう言って徹平と梓を見たけど
やっぱり2人も、言葉を濁して笑うのだ。
あたしは、そんな彼らをぐるりと見ながらソファに深く座った。
「澪、口とがってる」
「馬鹿!」
「馬鹿に言われたくねーよ、馬鹿」
龍也は、間違ってなのか、わざとなのか
快斗のチューハイを一気に飲み干した。