煙草とキス
~♪~♪~
「んん…っ、ちょっと……」
部屋中に鳴り響く、ケータイの着信音。
それは、快斗のケータイだった。
「快斗、鳴ってる」
「梓だろ。放っとけ」
開け放たれた窓からは、
夏の暑い日射しと、生温い風が入り込んでいて、朝とは思えないほどだ。
「んっ…ねぇっ、快斗っ…」
「……何」
「あたしに秘密……
明かしてくれるんでしょ?」
朝だというのに…
ケータイが鳴り止まないというのに…
「…ちょっ……んんっ」
快斗は、あたしの口をキスで塞ぐ。
すこし強引で
すごくすごく、深いキス。
あたしは、快斗の手に
指を絡めることしか、できなかった。