煙草とキス




「でも、おめでとうって言うのは
今日会ってからにする。もったいないし」



「……はいっ?」






変わってない。



そのとおり、ひかりさんはまた、あたしの意表をつくようなことを呟いた。







「ん?いや…たまにはね、東京でガールズトークでもしたいなぁって思って」




「えっ、そ、それって…」




「久しぶりの東京はいいね~!
久しぶりに、bitterのライブも行けるし」






「………うっそ…。
ひかりさん、来てるの!?」





それは、本当に突然のことだった。



何の前ぶれも予兆もなく…







「2日前に来てたのにね?
快斗くんに口止めされてて。
うっずうずして仕方なかったの!」




「かっ、快斗が!?」




「もう我慢してられなくって…。
澪ちゃんから電話来て、ほんと良かった」




「嘘だ……」







天変地異の前ぶれ


……みたいなこともなく、ひかりさんは東京へやって来ていた。






あたしは半ば、放心しながら、ひかりさんとランチから会う予定を立てた。







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