煙草とキス
………しばらく沈黙が続き
電話の向こうの結は
すすり泣いているようだった。
「……………澪、急にごめんね……」
最後にそう呟いた結に
「あたしみたいに、ならない方がいいよ」
あたしは、そう言い放った。
まだ、すすり泣く声が聞こえてたけど
あたしは電話を切った。
自分でも
冷たい女だと思った。
─────ふと気が付くと
あたしは、ベッドの上に寝ていた。
そして、何故か目から涙が流れている。
あたしは指でその涙を拭き取り
体をゆっくり起こすと……
快斗が、ちょうど帰ってきた。