煙草とキス
あたしは、氷が溶けて少し薄くなったアイスティーをゆっくり口に含んだ。
そして、生唾を飲むように
ゴクリと喉を鳴らした。
「私ね、彼と結婚することにしたの。
もう入籍してて、大阪で入れたんだ」
ちょっと困ったような……
だけど幸せそうな笑顔を浮かべたひかりさんは、すごく光って見えた。
「ひかりさん……
ほんっとうにおめでとうございます!」
周囲の目なんて、気にしない。
だって、大切な人の幸せを目一杯祝うのはあたりまえのことだから。
本当に、あたしも嬉しいから。
「ありがとう、澪ちゃん」
「じゃあ、指輪を拝見させて下さい!」
満面の笑みであたしがそう言うと、ひかりさんは大きく笑って
あたしに左手を差し出した。