煙草とキス
───「あっ、流れ星!」
「マジっ!?」
「嘘!」
もう、深夜3時は過ぎただろうか。
梓、徹平、龍也と別れて、あたしと快斗は家路についていた。
「快斗、酔ってるの?」
突然子供みたいな嘘をついた快斗に、あたしはそう聞いた。
顔を覗き込むと
無邪気にへらへらと笑っている。
「俺が酔うと思う?」
とろん、とした目であたしを見つめた快斗に心を奪われて、あたしは目をそらした。
元から快斗は酒に強いけど…
この目は、酔っている証拠だ。いつものクールさはひとつもない。
「そりゃあ……
あんなに呑めば、大抵は酔うでしょ」
「ふはっ…。もっと呑んだらさ、どうなると思う?」
意味の分からない快斗の質問に、ちょっと可愛いなんて思いつつ
あたしは、快斗がくわえる煙草を取り、ゆっくりと煙を肺に入れた。