煙草とキス
「快斗、死ぬよ?」
慣れない味に少しむせながら
快斗に言った。
すると、快斗はまた笑った。
「じゃあ俺が死にかけたらさ、澪が人工呼吸してよ」
「……え!?快斗、大丈夫?」
相当なアルコールが
快斗の頭には回っているようだ。
極端なフラつきもなく、ちゃんと歩いていると言えば歩いているんだけど。
「だから…人工呼吸。できねぇの?」
快斗に、そう言われたと思ったら
あたしの唇は
もう快斗の唇で塞がれていた。
「…んんっ……!」
人も、車も、辺りには見えない。
外灯はポツポツとあるだけ。
それが、逆に不安だった。
快斗もあたしも、止まらない気がして。
2人の唇が、離れない気がして。
どんどん深くなっていくキス。
この、なんとも言えない感情に、あたしはどっぷりと浸ってしまった。