煙草とキス






快斗の夢が叶うなら







快斗の望みが叶うなら










あたしは両手を上げて



喜ぶんだ。









でも、そのときに



快斗の手まで離してしまいそうで






快斗と、はぐれてしまいそうで








怖くなって




ちょっと、小さな万歳になるかも。











「そのときは、怒らないでよ」









快斗にそう言うと、また煙草の煙をあたしに吹きかける。





酔ってるのか



正気なのか






よく分からない表情であたしを見て



また唇を奪う。











「俺は離れねぇよ」






そう言った快斗が、ものすごくかっこよく見えた。










大丈夫………。











まだ、快斗はあたしの隣に居る。











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