煙草とキス




快斗はライブ前に一度


家に戻ったらしい。





洗濯機の中には、快斗の服が入っていた。








「明日は雨か……」





何気なくテレビの電源を入れると


明日の天気予報がやっていた。





洗濯機の中にあった快斗の服を思い浮かべながら、ベッドに横たわる。





部屋干しは嫌だな…


なんて思いながら、ふと1枚の白い封筒にあたしは手をやった。










《 椎名澪様 黒崎快斗様 》







とても綺麗な流れの文字。





どこか懐かしげなその字にあたしは胸を高鳴らせ、封筒の裏を見た。






そこにはまた丁寧な字で



あの、ひかりさんの名前と、“旦那”となった彼氏さんの名前が書かれていた。









もちろん、あたしの顔はニヤける。





丁寧に封筒の糊をはがすと、あたしはその中の立派な冊子を取りだし



ドキドキしながら開いた。







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