煙草とキス
………結婚式の招待状。
生まれて初めて
結婚式の招待状を貰った。
すごくすごく嬉しくて、あたしはすぐに往復ハガキにペンを入れる。
“出席”の文字をグルッと囲んで
何度も見つめる。
幸せな気持ちになって、あたしはバッグに入ったままのケータイを取り出した。
「あっ、快斗?」
掛けた先は、もちろん快斗。
今夜のタイバンも終わって、今は打ち上げでもしている頃だろうか。
それとも、誰かの家にでも向かっているところだろうか。
「あー…澪?」
でも、電話に出たのは快斗ではなく
何故か龍也だった。
「……あれ?快斗は?」
「あぁ、快斗?」
あたしが龍也に聞くと
龍也は小さなため息を1つついた。
「今そちらに運送中~」