煙草とキス
「あ…澪だ~」
ほんのりと酒臭い快斗は、目を開ききれなくても口元を緩めた。
その姿に、どうしても笑ってしまう。
「俺、もう風呂入る……」
靴を脱ぎ捨て、あたしの髪を撫でながら奥の部屋へ行った快斗は
大きなあくびをしていた。
「あいつ、大丈夫か?」
あたしにギターを渡しながら
龍也が眉間にシワを寄せる。
「あれ、酔ってるの?」
「んー…疲れすぎかな」
腕を胸の前で組んだ龍也も
大きなあくびをする。
龍也の目も、すごく眠そうだ。
「うちに泊まったら?」
「え、いいっていいって」
あたしが聞くと、龍也は首を振る。
でも、この眠そうなまま車を運転させるのは無理があると思う。
事故られたら大変だ。