煙草とキス





それから夜も深まり



龍也も風呂に入って、あたしが最後に上がる頃には



深夜2時を過ぎていた。







「ねぇ、明日はライブあるの?」




注ぎたての温かい紅茶を飲みながら、ギターの弦をいじる快斗と


深夜にいつもやっているF1レースを見ている龍也に聞く。





「んー?明日は無いけど…」




快斗には完全無視され


龍也にはだるそうに答えられる。






「ふーん…。あたしは午後からバイト…」



「マジ?寝なくていいの」



「3時からだから」






ただ走っている車を見て、何がおもしろいんだか。



龍也は画面から目を離さず


あたしと少しだけ、会話をした。





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