煙草とキス
─────窓から差し込む光に、目を細めながら
あたしは、体を起こした。
そして
煙草を口にくわえて火を着けた。
窓の外には、青空が広がっている。
昨日の大雨が嘘のようだ。
あたしは、窓の外を見つめながら
煙草の煙をゆっくりと吐いた。
朝、目を覚ますと
もう隣に快斗はいなかった。
週末のタイバンにも誘われたらしく、
今日も、午前にバイトをしたあと
スタジオ練習に行くと言っていた。
そうやって、快斗は腕も上げてくし
ファンも増やしていく。
何も目指すものがないあたしは
快斗の姿を見ながら
情けない気持ちにもなっていた。