煙草とキス
「はぁ~…ダルいなぁ…」
あたしは、大きく背伸びをしたあと
服を着替えて
家を出る支度にとりかかった。
あたしは、最近バイトを始めた。
ちょっと洒落た感じの古着屋で、
仕事もハードじゃないし
結構、好きにやっている。
まぁ、人と接するのがあまり得意じゃないから
適職かどうかは分からないけど……
でも、店の人も気さくな人ばかりだし
環境的には、悪くない。
珍しく、長く続けられそうなバイトだと思った。
「いってきま~す」
誰もいない部屋に
あくびをしながら呟いた。
返ってくるはずもない快斗の声を
頭の中で想像しながら、家を出た。