煙草とキス
今日は、梅雨を忘れさせるほどの快晴だった。
でも、つい先ほどまで降っていたのか…
アスファルトは濡れていて
湿気で風が生温かった。
────「こんにちは」
「あっ、澪ちゃんおはよー」
駅前のアーケードにある古着屋は
駅から徒歩3分。
朝から若者ばかりで賑わい、
あたしが店に入った頃には、もうお客さんがたくさんいた。
「ちょうど良かった。これ、うまくディスプレイしてくれない?」
「あ、はい」
あたしにそう言って服を渡したのは
【相川 ひかり】27歳。
あたしの指導とかしてくれる先輩。
結構頼れる存在。
あたしを気に入ってくれたみたいで
店の中でも、1番仲良くさせてもらっている。
そして……………
嬉しいことに、
bitterlipsの大ファンでもある。