煙草とキス
─────「お疲れ様でした~」
「お疲れ様~」
夕方4時、あたしはいつもより早く上がることになった。
家に帰って、特に何かをするわけでも無いあたしは
久しぶりに、世那がバイトしているCDショップに行くことにした。
世那がバイトするCDショップは
全国に店舗を構える大型店で、
広いし、品揃えも豊富だし、居心地が良くて結構良いところ。
その店に行くのも、世那と会うのも久しぶりだから
足取りも自然と軽やかだった。
数分後、CDショップへ入ると
店内は以前より雰囲気が良くなってて、流れている曲のセレクトも
なんとなく、あたし好みな感じだった。
すると、奥の方に世那が見えた。
「世那!」
あたしが背後から声を掛けると
世那は驚いて振り向いた。