煙草とキス
「はいっ、ここ」
ほんの数秒で着いた部屋のドアは、やっぱり黒かった。
どうやら、この部屋に、bitterメンバーがいるらしい。
「快斗~? 世那だけど」
コンコン、とドアをノックしながら
世那は大声で言った。
そうすると、
その部屋のドアが、ゆっくりと開けられた。
「あっ、徹ちゃん!」
「来たーっ、澪ちゃんだ!」
部屋から出て来たのは、徹平だった。
先週も会ったばかりだけど
何故か、徹平は嬉しそうにニコニコしている。
……………否、ニヤニヤかも。
「何?どーしたわけ?」
気持ち悪いくらい、笑顔を振り撒いている徹平に
あたしは問いかけた。
それでも、徹平は
何故かニコニコ、ニヤニヤ……。
あたしは
そんな徹平を、目を細めて見つめた。