煙草とキス
どんどん、深くなっていくキス。
人も車もあまり通らない、細い路地。
あたしの甘い吐息が、漏れていく。
「……快斗っ…ちょ、待って…」
更に快斗のキスが深くなった頃
あたしは、軽く抵抗してストップをかけた。
「……快斗、やるなら…、家帰ってからにして?」
あたしがうつむいて言うと、クスッと笑う快斗。
「男は止めらんねーよ?」
冗談っぽく笑った快斗は
コホン、と咳払いをしてから、あたしの手を握って駅まで向かった。
「………んんっ…、快斗…」
家のドアを開けると
すぐに、快斗の唇があたしを襲った。
快斗は、あたしにひたすらキスをしながら、ベッドまで押していく。
電気も付けられていない真っ暗な部屋を、快斗に押されながら、後退りして進む。
「ん………っ、はぁっ……」
長くて、深くて、熱いキスは
息を吸うのも大変になる。
快斗の舌が絡まると
頭の芯が、溶けてしまいそうな感覚に陥ってしまう。
気がおかしくなってしまわないか、心配になる。
だけど、それでもお互い…
体も、愛も欲しくなってしまう。
むさぼり、求めたくなる。