煙草とキス
「痛っ……。快斗……痛い…」
暗闇の中、ベッドの上に押し倒されて
快斗があたしの手首を押さえ付ける力は、すごく強かった。
「快斗っ…、痛いってば……」
途切れ途切れ言うと、快斗は意地悪な声で
「……さっき、俺を止めたおしおき」と、耳元で囁いた。
♪~♪~♪~
快斗に抱かれているとき………
何度も何度も、あたしのケータイが鳴り響いていた。
それでも、肌を重ねている方が、今は一番だった。
快斗と唇を合わせている方が、電話なんかより大事だった。
それが、どんな重要な件であっても……
あたしの欲望も、快斗の欲求も
止まるはずも無かった。
─────ふと、見つめた窓の外。
真っ暗で、雲が厚くて
月さえ見えなかった。
いつもは月明かりに照らされるこの部屋も
今夜は、真っ暗闇──────