ロールキャベツくんと残念美人女子のその後。
恐る恐る隆裕の方を向く。
唇に柔らかい感触。
初めて会って、突然キスされた時の事をふと思い出した。
「…まだ慣れない」
隆裕は、はにかんで呟く。
「秋穂といるといっつもドキドキしてる。一緒にいられないときも、生徒会にいるときも、秋穂が学校サボっちゃう日も何やってるのかなとか、今寝てるのかなとか、考えるだけで幸せで。
会うたびに女の子らしくなっていって、かわいくてたまらないし。
一緒にいる時も、そうやってずっと頭の片隅で考えてる時も、ドキドキが止まらない」
照れ臭かったけれど、嬉しかった。
おんなじことを思っているのが嬉しかった。
隆裕がいないとつまらないし、隆裕じゃないと嫌だった。
その感情は出会ってからずっとおんなじで、
胸がいっぱいになる。
「そこで黙るのは反則でしょ」
目の前の人にデコピンされてやっと我に返る。