ロールキャベツくんと残念美人女子のその後。
『ああ陵くんかって…お前なぁ…』
電話越しにため息が聞こえた。
「で、どうしたの?」
『どうしたのもどうも、こうも───』
ふと、海辺が目に入る。
「…アツくん…」
『ああそうそう、二人とも電話出てくんねえんだからさ』
少しずつアツくんの方へ歩いていく。
『倒したよ、俺ら』
「え?」
何を?誰を?どうやって?
『Sヶ峰、勝ったんだよ』
「アツくん」
呼ぶと振り返るアツくんは、こっちを見ると気まずそうに「ああ、」と漏らす。
「陵くん達だけで勝ったって」
「…………ああ、冗談とかいらないから」
「本当だって!陵くんが…」
「ああ、あいつか。良かったじゃん」
何、それ。
「アツくんがそんな冷たい人だとは思わなかった」
「…勝手にしろよ」