ロールキャベツくんと残念美人女子のその後。
『……おい、俺忘れんなよ』
落としていたスマホを拾い上げる。
「ごめんごめん。……この話はまた合宿終わってからでも良い?陵くん、これ以上無茶はダメだからね」
『わかった。じゃあな』
辺りは大分暗くなってるのを感じた。
「大丈夫?」
砂を歩く音と共に隆裕の声が聞こえた。
「うん。大丈夫」
腕についた砂を払ってくれた。
「…大丈夫じゃないじゃん」
その声に心臓が痛くなる。
「アツくんってさ、」
「ん?」
「中学の時、立ち直った後お父さんお母さんとも仲直りできたの?」
なんとなく、昔のアツくんを思い出してしまった。
「あの赤髪ではできてないと思うよ。僕にも中々話はしてくれないんだけどね」
隆裕にさえ、かぁ。
皆色々あるのは当たり前、なのかな。