ロールキャベツくんと残念美人女子のその後。
「遅い」
陵くん、自分で時間決めといて
待たせるって…。
周りのほとんどがカップルで、密接度が高過ぎる。
「秋穂先輩」
「陵くん遅………かったね」
当たり前だけど、
いや散歩だから当たり前じゃないんだけど、普段のジャージとは違って
黒のジャケットとパンツで髪もセットしてある陵くんに少し違和感をもった。
「いーじゃん。時間いつまでいいの?」
「一時間。願わくば30分」
「りょーかい」
陵くんはぷらぷらと歩き出す。
「女の子といるときはそんな格好」
「さあ」
綺麗なイルミネーションだらけの景色と
陵くんとの距離は合わないけど、
散歩ですから。