居 候 天 使
「じゃあいずれはお前らも幽霊ってこと?」
「いやいやいやいや。え、何?喧嘩売ってんの?俺達がいずれ試練に失敗するって言いたいのかな、僕チン?」
「だってその試練って、俺を世界一幸せにするってやつだろ?無理に決まってんじゃん」
「はー、これだから最近のガキは。やる前から諦めてんじゃねーよ。やってみねーと分かんねーだろ」
「やってみなくても結果は明らかだよ。あんた世界の人口知ってんの?」
「馬鹿にすんなよ、クソガキが。世界の人口くらい知っとるわ」
「じゃあ答えてみろよ」
「あ?つ、つーか、お前の方こそ実は知らねーんじゃねーの?答えてみろよ」
「いいから答えろ」
その手に乗るか。
俺はこれでもかってくらいに顎を上げて、シキを見下す。
「シキ、次それ貸して。」
俺とシキの会話に痺れを切らしたように、コハクはシキが手にしている漫画を指差して言った。
ゲームの次は漫画かよ。
本当にこいつら俺を幸せにする気があるのか?
仮にこいつらが天使であるということは認めるとしても、俺が世界一幸せにするだなんてそんなこと、100%不可能だ。
大体俺はそんなこと望んでない。
平々凡々な安定した日々が送れたらそれでいい。
「とりあえず出て行ってくれないか、本当に」
「つかこれ、先週の奴じゃね?今週号は?」
「お前はほんっとに話がかみ合わないけど、俺の話を聞く気はあるか?」
「あそこにあるやつが今週のかも」
「コハク、お前もだ。都合の悪いことばかりシカトするな」
「なんだ、こんなとこにあったのかよ」
……俺の部屋なのに、なぜ俺の存在だけガン無視なんだ。