優しい君に恋をして【完】
「ろう学校......それって、
つまり、そういう子なの?」
「そういう子?ってどういう意味?
私の彼氏は、耳が聴こえない人なの。
すごく、優しい人だから私......
絶対に大切にしたい。
いっつもお母さんは、一流企業とか、
エリートとか言うけど、
私はそんなの関係ない。
本当に良い人だから。
お母さんも会えばわかるよ」
お母さんは、考えこんでしまった。
そして深いため息をつくと、
「とりあえず、朝ごはんは?
しっかり食べないとダメよ」
そう、話しを変えて、洗面所から出て行ってしまった。
お母さんは、嫌なのかもしれない。
でも、反対されても私は絶対に引かない。
絶対に。
私は、少しだけほんのりメイクをすると、
洗面所から出て、朝ごはんを食べずに、部屋へと戻った。