優しい君に恋をして【完】
しばらく、部屋の片付けと、出かける準備をしていたら、
携帯が鳴った。
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今から行くよ
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やった!!もうすぐ会える。
ワクワクしながら、返信を打った。
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気をつけて来てね(^ ^)
着いたらまたメールしてね♪♪♪
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待っている間、
ついでに机の上も片付けちゃおうと片付け始めたら、
止まらなくなって、
引き出しの中とかも整理整頓してしまった。
そして綺麗に片付くと、もう一度鏡の前に立って、
全身をチェックした。
おかしくないかな......
黒のニーハイ コロンとした小さなリュック
手の平まで隠れてしまう袖を指で掴んで、
スカートからパンツが見えないか、
大きく開いた首周りから、胸元が見えないかを、
チェックした。
大丈夫だよね。
指先で毛先をくるくるとしていたら、
携帯が鳴った。
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着いたよ
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え、もう?早い!!
ベランダに出て、下を覗き込むと、
自転車に乗って携帯を見ている優が見えた。
自転車に乗って来たんだ。
こっち向くかな......
私が思いっきり、手を振っても気づいてくれなくて、
リュックから、ハンカチを出して、
優のところに向かって、落とした。
するとちょうど、優の足元に落ちて、
少し屈んでハンカチを拾うと、優がまぶしそうに顔を上げた。
なんだか嬉しくなって、思いっきり笑顔で手を振ったら、
優も笑ってくれて、
《今行くから 待ってて》と手話をすると、
上を向いたまま、小さく頷いてくれた。
私は急いで、部屋から出ると、
階段を駆け下りた。