優しい君に恋をして【完】
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明日は、一学期終業式という、
日曜日の朝。
自分の部屋の鏡で、
全身をチェックしていた時、
メールが鳴った。
バッグの中から携帯を取り出し、
受信メールを開いた。
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今、着いたよ
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待ちに待った、初デート......
窓を開け、ベランダに出ようとしたら、
あまりにもの熱さに、
すぐに窓を閉めて、
もう一度鏡の前で全身をチェックした。
この日のためにお小遣いで買った白いミニのワンピ
ゆるく毛先を巻いた髪
大丈夫かな......
くるくると指で毛先を整えてから、
バッグを持ち、エアコンのスイッチを切ると、
部屋から飛び出して、階段を駆け下りた。
そしてリビングのドアを開けお母さんに声をかけようと思ったら、
お母さんがいなくて、
寝室かな......と、
またもう一度階段を駆け上がって、
お母さんの寝室のドアをトントンとノックした。
すると、ゆっくりとドアが開いて、
お母さんが顔を出した。
「あれ、お母さんもどっか出かけるの?」
お母さんは、出かける準備をしていた。
「うん、まぁ......ちょっと。
優くんが来たの?」
「お母さん......今、名前......」
お母さんが名前を呼んでくれたことに、
ものすごく嬉しくなった。
「楽しんできなさい」
楽しんで……
優とのことを、
お母さんは自分が決める事じゃないと言っていたけど、
お母さん自身は、もう許してくれたのかな……
「うん、ありがとう、お母さん」
お母さんは、私の髪を優しく直して、
微笑んだ。
「いってらっしゃい」
「うん、いってきます!」
私は、また階段を駆け下り、
玄関の扉を開けると、
門の外で待つ優の顔を見て、
はっとして立ち止った。
優......髪......