優しい君に恋をして【完】
私は幼稚園のお迎えの時間を遅くして、
ゆうちゃんのお迎えと時間が合わないようにした。
毎日迎えに行くと、「今日もゆうちゃんと遊んでいましたよ」と先生に言われて、
複雑な気持ちになっていた。
あすかも、楽しかったと言って、
幼稚園に行くのが毎日楽しそうだった。
あすかが私の子と知っても、
ゆうちゃんは何も変わらず、あすかに優しくしてくれた。
毎日のように、折り紙のお手紙をもらってきて、
あすかも返事を書くおかげで、平仮名を覚えた。
ずっと仲良しだった。
そして、ゆうちゃんが卒園して、
あすかはまた、ひとりになった。
でも、ゆうちゃんのおかげで、お友達との付き合い方を覚えたらしく、
少しずつ、女の子のお友達ができた。
年中になったある日、
迎えに行くと、先生から白い封筒を渡された。
「これ、ゆうちゃんのお母さんからです。
あすかちゃんのお母さんに渡してほしいって預かりました」
えっ.......
震える手で受け取り、
そのまま中身を見ないで、バッグにしまい、
あすかを自転車に乗せて帰った。
家に帰ってきても、怖くて封を開けることができなかった。
夜、あすかが寝たあと、
そっとバッグから封筒を取り出し、
中身を見るのが怖い気持ちを抑えながら、
封と開けると、
一枚の写真と、小さな花柄のメモが入っていた。
【一度お話させてください。
成海 愛
***ー****ー****】