優しい君に恋をして【完】
愛さんは、バッグの中から、
はがきサイズぐらいのファイルを出して、
私の前に置いた。
「幼稚園の頃、お迎えに行くと、
いつも二人で遊んでいたので、
なんだか私嬉しくて、しょっちゅう写真撮っていたんです」
ファイルを開いて見ると、
幼稚園の園服を着たあすかと優くんが、
笑顔で遊んでいる写真がたくさん挟まっていた。
一枚一枚写真をめくって、
この子達が、今頃デートをしているんだと思うと、
なんだか不思議な感じがした。
「もし、二人とも幼稚園の頃一緒に遊んでいたことに、
気がついていないのなら、
秘密にしておきましょうか?」
愛さんは、いたずらっ子のようにニヤッとした。
「秘密......ですか?」
愛さんは頷いた。
「二人が結婚する時、この写真たちを見せて、
実は.....ってバラしたらおもしろくないですか???
ふふふっ」
「けっ、けっ、結婚、ですか?」
「あああ、気が早いですよね。
上の子がもうすぐ結婚するから、
なんだか気持ちがすぐそっちにいっちゃって。
そうよね、その前にあすかちゃん優と結婚してくれるかどうかよね。
早く、あすかちゃんに会いたいわぁ。
きっと素敵なお姉さんになっているんでしょうね......
そっか、彼女ができたんだ.....優に。
あすかちゃんと......
だから、再手術するって言い出したのね......」