優しい君に恋をして【完】
「手術……絶対に大丈夫だよね?
危険とか……ないよね?」
優を見つめてそう言うと、
優は少し笑って頷いた。
「信じて待っていて、いいんだよね?」
また、頷いた。
「優が好きだよ」
優はふっと笑って一度下を向くと、
また顔をあげて、小さく頷いた。
「好き」
もう一度言うと、今度は2回軽く頷いた。
「頷くだけじゃなくて、なんか言ってよ!」
そう言って頬を膨らませると、
優は目をまん丸にして、
目の前で噴き出して笑い始めた。
そして私の頬に手を当てたまま、
目を伏せて顔を近づけてきたから、
私は片手で、優の口元を押さえた。
優は、また目をくりくりにして驚いた。
「キス......しないもん。
そんなんで、ごまかされないもん。
ちゃんと......言ってよ」
ちらっと上目で優の顔を見ると、
口を押さえている私の手の上の優の目が、私からそれて、
私の頬と体にある優の手が、
ふっと離れたと思ったら、
ガシッと私の手首を掴んできて、
自分の口元から離した。
すると、真剣な表情の優が見えて、
手首を掴んだまま、ベッドに押し倒された。
私のことを、少し怒ったような顔で見下ろしている優。
掴まれた手首
私の顔の横に手をついて、
じっと見下ろしている。
「好きだよ」
真剣な顔で、まっすぐ見下ろされながら言われたから、
心臓がおかしくなっちゃうんじゃないかってぐらい、
ドキドキした。
頬が熱くて、
体が動かなくて、
何も言えなくなっちゃって......
優を下から見つめたまま動けなくなっていたら、
真剣な表情の優がふっと噴き出して笑った。
そしてゆっくりと顔を近づけて、唇に触れるだけのキスをすると、
またゆっくりと離れて、
私の腕を引っ張って体を起こした。