優しい君に恋をして【完】
優の手術が終わり、
一週間後の退院まで、何も起きないように、
無事に退院できますようにと、
毎日祈った。
ピアノ教室に行くと、桜木先生も心配してくれていて、
ピアノよりも、ずっと話し込んでしまった。
あまり最近、練習もしていないし、
ピアノを続ける意味が、本当にわからなくなっていた。
私は手術後も毎日1通メールを送ることを続けていた。
返信は一度もない。
そして、退院予定日になり、
【退院したら メールするよ】と言っていた優の言葉を信じて、
朝からずっと携帯を何度もチェックして、
優からのメールを待った。
お母さんとお昼ご飯を食べ、
後片付けをしている時、
テーブルの上に置いていた携帯が鳴った。
急いで濡れた手を拭いて、携帯を開いた。
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退院したよ。
たくさんメールありがとう。
今、全部読んだ。
ケーキ今度作ってよ。
お母さんに
ありがとうございますって、
伝えといて。
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