優しい君に恋をして【完】
今から、
優に会える......
「遠山?」
白石くんが私の顔を覗き込んできた。
「探さなくちゃ......私、探しに行かなくちゃ」
「え?彼氏?どうした?遠山?」
私は優を探しに行こうと、
みんなのところから、歩き出した。
下駄で歩きにくい。
ほんの少し歩いたところで、
背の高い人が通り過ぎた。
優?
優は私に気がつかずに、周りを見ながら、
早足で歩いて行った。
どんどん優の背中が小さくなっていく。
優.......
「優......
優ーーーーー!!!!!」
私は下駄で走り出した。
「優ーーーーーーーー!!!!!!!」
もう一度、大きな声で、
優の背中に叫ぶと、
優がピタリと立ち止まった。
えっ...........
私は、ハッとしてその場に立ち止まった。
今まで、どんなに名前を叫んでも、
立ち止まることはなかったのに........
優は立ち止まって、周りをキョロキョロと見回していた。
優.......もしかして.......
「優ーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
後ろ姿の優は、
私の方に、
振り向いた。