優しい君に恋をして【完】
友達
胸から響いてきた、優の声。
私と同じ気持ち。
本当に聞こえているんだ.......
優はそっと私の肩を押して、私の顔を見た。
「花火見るか」
優しい眼差しで見つめてきた優に頷くと、ドーンと花火が打ち上がって、
一緒に夜空を見上げた。
そっと背中から手を離すと、ぎゅっと手を繋いでくれて、
花火を見ては優を見て、目が合っては微笑み合った。
そういえば、
真菜たちに何も言わずに離れてきちゃった......
ふと思い出して、遠くのリスの像の方を見ると、
真菜たちも、まだそこから花火を見上げていた。
「優」
空を見上げている優を呼ぶと、
「ん?」と首を傾げてこっちを向いた。
名前を呼んでこっちを向いてくれることが、
なんだか不思議で.......
でも、すごく嬉しかった。
「学校の友達が一緒に来ていて......
優を紹介してもいい?」
「紹介?」
さらに首を傾げた優に頷くと、
「あすかがいいなら......」って笑ってくれて、
私は繋いだ手を引っ張って、真菜たちの方へ、
優を連れて行った。