優しい君に恋をして【完】
優の声は、とても優しかった。
「どうしてって、それは......
俺にとって、遠山さんは、
大切な......友達だから」
白石くんは、そう言うと、少し俯いてしまった。
「あすかを大切に思ってくれて、
ありがとう」
優がそう言うと、白石くんは顔を上げて、
優の顔を見ると、
「やっぱ、勝てないや......」と、つぶやいた。
そして、自分の髪をくしゃくしゃっとすると、
「これからみんなで川沿いの道に行って、
屋台見ようって言ってたんだけど、
もしよかったら、遠山さんたちも一緒にどう?
男たちで、射的対決しようぜって言ってて。
彼氏もやらない?」
優は少し首を傾げて考えこんでしまっていた。