優しい君に恋をして【完】
優はそう言って、ずっと遠くの夜空を見つめた。
優の手を繋いだまま、その場に立ち止まると、
優は少し驚いたように振り向いて立ち止まった。
「私と出会って、よかった?
世界が変わったって......
それは、優にとってよかったことなのかな.......」
優は振り向いたまま、私の顔を真剣な表情で見つめて、
ふっと目をそらすと、
繋いでいた手を離した。
そして、下を向いたまま私の前に立つと、
私の顔を少し怒った顔で、覗き込んできた。
「わかんない?」
少し上目で見つめてきた優の表情に、胸がきゅんとしてしまって、
頬を熱くしながら下を向いた瞬間、
腕を引っ張られて、
抱きしめられた。
「なんでわかんないんだよ.......」
優の背中に腕を回して、ぎゅっと抱きしめた。
「ちゃんと言ってくれないと、わかんないよ......
私は優と出会えて、よかったよ。
優は.......?」
優はそっと私の肩を押して、
私の顔を見つめてきた。
「優、怒ってるの?」
首を傾げて優の顔を覗き込むと、
バッと顔をそらして、
またこっちを向くと、暗闇の中でも、
その顔が真っ赤なことがよくわかった。
「どんだけ好きだと思ってんの?」
「えっ?」
「よかったに、決まってんだろ。
そんなの、わかってろよ......」