優しい君に恋をして【完】
進路
夏休みが終わり、
二学期が始まると、
優は毎日放課後、学校に残るようになった。
学校の美術の先生に、指導してもらうことになったらしく、
毎日かなり遅くまで残って頑張っている。
月に一度は、耳の機械の調整に東京に行くし、
土日も、学校に行くことが増えて、
朝の登校の時以外、あまり会えなくなった。
それでも、連絡も取れなかった夏休みに比べれば、
毎朝会えるから、
私はそれだけでいいと思った。
それに、なんだか優は生き生きとしていて、
毎日頑張っているのが、すごく伝わってくるから、
私はそんな優を見て、嬉しく感じていた。