優しい君に恋をして【完】
優は少し考えてから、
「うん」と頷いた。
「デザイン科に進みたいと思ってる」
「デザイン科?」
「うん、受かるかどうかわかんないけど」
デザイン......
絵のことはよくわからないけど、
優の部屋にあった、たくさんの賞状を思い出すと、
なんとなく、大丈夫な気がした。
「大丈夫だよ、きっと受かるよ」
優はふっと笑うと、
首を傾げて、私の顔を覗き込んだ。
「あまり会えなくてごめんな。
受験終わったら、またどっか出かけよう」
「うん」
私が頷くと、電車がゆっくりとなり、
私の降りる駅に停まった。