優しい君に恋をして【完】
クリスマス
2学期が終わり、
12月24日 クリスマスイブ
その日優は、朝早くから東京の病院へ定期検査に行ってしまった。
東京に行った日は、いつも帰りが夜遅いから、
今日は会えないのかなって思ったら、
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帰り駅で待ち合わせして、
何か美味しいものを
一緒に食べよう。
駅に着く時間を
またメールするから
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そんなメールが来て、
嬉しくなって思わず携帯を抱きしめた。
ボンッとベッドに腰掛け、すぐ脇に置いてある紙袋を見つめた。
今日会えなかったら、明日家まで届けようと思っていた、
クリスマスプレゼント。
今日渡せるんだ......
「あすかー、どうするのー?作るのー?」
下からお母さんの声が聞こえた。
そうだ、優に渡すカップケーキの作り方を、
教えてもらおうと思ってたんだ。
「今行くー」
私は携帯をパーカーのポケットに入れて、
部屋を出た。