優しい君に恋をして【完】
「えっ......」
優は水を飲んで、グラスを置くと、
「開けてみてよ」と、両腕をテーブルに乗せた。
「あ、あのね、私もクリスマスプレゼントがあるの、
えっと......」
「あすか」
テーブルの下に置かれたカゴの中に入れた、
紙袋を取ろうとしたら、名前を呼ばれて顔を上げた。
「俺のが先」
「あ......うん、わかった」
私が頷いて、そっと箱のリボンを引っ張ると、
優は、頬杖をついた。
箱を開けると、小さな巾着が入っていて、
手の平にその中身を出して見ると、
ハートのネックレスが出てきた。
「かわいい.......
でもこれ、高いんじゃないの?」
優は、頬杖をつきながら笑った。
「ちゃんとバイトして買ったから。
気にしなくていいよ」
「えっ????バイト?????」
いつの間に???
ていうか、いつ???
「だって、そんな......バイトなんてしている時間なかったじゃん。
毎日、放課後も土日も学校だったじゃん。
いつそんな......」
優は、あはははっと笑い出した。
「日曜は、学校休みだよ。
美術の先生の知り合いの絵画教室で、
手伝いをしていたんだ。
絵の勉強にもなったし、
子供たちからも、刺激をうけたし。
バイトしてよかったよ」