優しい君に恋をして【完】
「つけてみな」
頬杖をつきながら言われて、
手のひらに乗せていたネックレスを指でつまみ、後ろ髪を横によけて、
下を向いてネックレスをつけた。
首元に冷たい感触が一瞬だけして、
下を向いたまま髪を両手で後ろに戻すと、首元のハートを指先で触れた。
「ネックレスって、初めて……
どうかな………」
あまりアクセサリーという物をつけた事がなかったから、
なんだか少し、大人になったような気がして、
ドキドキしながら、優をちらっと見た。
優は頬杖をやめて、両腕をテーブルに乗せて、
私の顔を下から覗き込んでいた。
目が合うと優は笑って、
テーブルから腕を下ろして、椅子の背にもたれた。
「なんか、嬉しいや..........」
そう言って、自分の髪をくしゃくしゃっとして、
下を向いた。
「嬉しいのは、私の方だよ。
本当にありがとう。
大切にするね」
優は顔を上げて、ふっと笑うと、
じっと私を見つめてきた。
そんなに見つめられると、なんだか恥ずかしくて、
「えっと.......そうだ、
私もプレゼントがあって.......」
ごそごそと、足元のカゴから、紙袋を引っ張り出すと、
「はい」と優に差し出した。