優しい君に恋をして【完】
えっ、今から.......
受かったのかな、
どうだったのかな......
もう、待ちきれなくて、
メールで聞いてしまいたかったけど、
ぐっとこらえて、優が来るのを待った。
待っている間も、落ち着かなくて、
部屋をウロウロして、
あ、制服を着替えようとブレザーを脱ごうとしたら、
「あすかー。優くんが来たわよー」
下からお母さんの声がして、
制服のまま、部屋を飛び出した。
階段をダッシュで下りると、
制服を着て、首には私のマフラーを巻いて、
リュックを背負っている優が玄関に立っていた。
「久しぶりね、ゆっくりしていって」
お母さんがスリッパを出しながらそう言った。
「おじゃまします」
優は、ぺこっと頭を下げると、
スリッパを履いて、
ゆっくりと上がってきた。
お母さんはそのままリビングに行ってしまって、
玄関に私と優の二人になった。
「先、部屋行ってて。
私、飲み物持ってくるから」
「わかった」
優は軽く頷くと、階段をゆっくりと上り始めた。