優しい君に恋をして【完】
合格.......
一人暮らし.......
泣かない、泣いちゃダメだよ。
優は、頑張ったんだから。
おめでとうって、笑ってあげなくちゃダメじゃん。
私は下を向いて、ぎゅっと唇を噛み締めて涙をこらえた。
そして、笑顔を作って顔を上げた。
「おめでとう、優......」
笑顔で言ったはずなのに、
涙が頬を伝ってしまった。
「おかしいな......なんでだろう......」
掴まれている腕とは反対の手で、
頬をこすって笑った。
笑ってるはずが、なぜかどんどん涙があふれてきて、
いつの間にか、泣いてしまっていて、
片手で、顔を隠した。
優は私からフォークを取ると、
トレイに置いて、
座ったまま隣からぎゅっと抱きしめてきた。
「なんで泣いてんの?」
優は抱きしめながら、私の頭を優しく撫でた。
「泣いてないよ、全然......泣いてないって」
優はあはははっと笑って、
「思いっきり泣いてんじゃん」とまた、笑った。
「泣いてないよ......私、
ちゃんと笑って、茨城に送り出してあげたいって思ってるんだから」
優は私の肩を押して、
私の顔を覗き込んできた。
「あすか?」