優しい君に恋をして【完】
そうだったんだ………
だから、一人暮らしするって……
「俺、全然料理とかできないから、
あすか、教えに来てよ」
「私が......?」
優は私の頬から手を離して、
私の頭を優しく撫でた。
「部屋が決まったら、合鍵を渡すよ」
合鍵.......
「あと、これから教習所に通うから」
「教習所?」
「車の免許が取れたら、助手席に乗ってくれますか?」
言い聞かせるように、私の頭をポンポンと撫でて、
顔を覗き込んでくると、
目の前でかわいい八重歯を見せて笑った。
嬉しい未来を、いっぱい言われて、
離れてしまうことばかり考えていた私は、
頭の中が混乱してしまって、
何がなんだかわからなくなってしまって、
「わぁぁぁぁーーーー!!!!!」と、
声を出して泣いてしまい、
ぎゅっと優に抱きついた。
優は優しく抱きしめて、
あやすかのように、私の頭を撫でた。
「ずっと俺のそばにいなよ……」