優しい君に恋をして【完】
きゅんって音がしちゃうんじゃないかってぐらい、
優の言葉に、胸がきゅんとしてしまった。
カウンターに乗せていた優の右手に、
私の左手を絡ませ手を繋ぐと、
優がぎゅっと握り返してくれた。
「俺のうち来ても、もうそういうことしないから。
ほんと、ごめんな」
「えっ?」
優はこっちを見ないで、前を向いたまま、
左手でコーヒーを飲んだ。
そういうこと.......
あっ!
「違う。違うよ!優!」
ブンブンんと握った手を振ると、
優はコーヒーを置いてこっちを向いた。
私、そういうこと、
嬉しかったのに......
そういう意味で、優の家に行きたくないって言ったんじゃないのに……
でも、そんなこと言ったら、
まるでして欲しいみたいじゃ......
「ん?」
違うと言った言葉が、優には聞こえなかったみたいで、
首を傾げて私の口元を見て言葉を待っていた。
なんて言ったらいいんだろう。
下を向いて考えこんでしまったら、
優が繋いだ手を軽く振った。
「大切にするから」