優しい君に恋をして【完】
放課後、
校舎から出ると、もう雨は止んでいたから、
タオルをバッグにしまった。
真菜は雨で、駅の反対側の家から駅まではバスで来たらしく、
学校から駅まで、一緒に歩いて帰った。
駅に着くと、真菜の彼氏が待っていた。
「私の友達の、あすか」
「こんにちは......」
真菜の彼氏は、とても真面目そうな人だった。
「どうも」
と、挨拶してくれて、
「じゃあ、また明日ね」と言った真菜の手を繋いで、
駅ビルの方へ歩いて行ってしまった。
その二人の後ろ姿だけでも、幸せそうなのがわかる。
付き合うってこういう感じなんだ......
私も優とそんな風になりたいのかな......?
なんか、想像できなくてわからない。
でも、優ともっと一緒にいられたいいなって思う。
もっと優と会えたらって......
「あれ、遠山さん?」
名前を呼ばれて振り向くと、
白石くんが立っていた。
「遠山さんってチャリじゃなかったんだ。
どこで降りんの?」
「○○駅」
「なんだ、俺、○○駅の次の駅で降りるんだよ。
一緒に帰ろうか」