優しい君に恋をして【完】
え、一緒に.....?
「大丈夫だよ。変なことしないから。
友達だろ。
友達として、一緒に帰ろうってことだよ」
はははっと笑って白石くんは、
自分の短い髪をくしゃくしゃとかいた。
友達として、一緒に。
「行こっか」
そう言って、白石くんが改札の方へ向かったから、
私もその後をついていった。
でも、なんとなくこういうことはしたくないなって思った。
友達といっても、
白石くんは、男子なわけだし。
周りから見たら、付き合っているみたいで。
そんな風に思われたくないって思った。
帰りのホームに少し間をあけて二人で立ち、
電車が来たから、白石くんの後から続いて電車に乗り込むと、
私にとって、この状況を一番見られたくない人が、
隣の扉の手摺に寄りかかってこっちを見ていた。
「優.......」
こういう時に限って、帰りの電車が一緒になるなんて、
今まで、一緒になりたくてもなったことなかったのに。
なんで、こんな時に......