優しい君に恋をして【完】
教室に入ると、
自分の席の隣にいる白石くんと目が合った。
少し気まずい思いを抱えながら、
自分の席に座った。
「昨日は、ごめん」
白石くんは、すぐに謝ってきた。
「こっちこそ、ごめん」
私も謝ると、白石くんは笑いながら自分の頭をかいた。
「強引だったよな......ほんとごめん。
もしかしてさ、遠山さんの気になる人って、
昨日追いかけていった背の高い人?」
あ......見られていたんだ。
「うん。そうだよ」
「そっか。ちょっとネクタイが見えてさ......
俺の見間違いかもしれないけど。
遠山さんは、彼がどの高校に通っているのか、わかってるの?」
えっ?
「知らないけど......だからなに?」
白石くんは、少し考え込んでいた。
「そうなんだ。
まぁ......頑張ってよ」
何......?
優の高校が、なんなの?
優がどの高校に通おうと、そんなの関係ない。
私の通っている南高校だって、そんな頭良い高校でもないし。
そんなの、ほんとどうでもいい。
なんか、ちょっとイラっとしながらバッグの中身を机の中に入れた。